水車の力で挽くことのできるコシヒカリ粉は1時間にわずか1キロ。
その貴重な粉を丁寧につきあげ、生地を作っています。
日本全国に名物とされる団子は数あれど、素材にここまで気を使っている団子は
そうないのではないか、と自負しています。
相川金山へと続く沢根街道で、江戸時代から作られている沢根団子の艶やかさは、
団子屋の看板娘らん子の美しさと例えられるほどでした。
その団子の美味しさの理由のひとつには、精魂こめて作られた佐渡産コシヒカリ、
そして電気ではなく、水の力で回る水車でひかれる上新粉の美味しさにあります。
左:佐渡・金井地区にある水車。この水車の力で石臼挽きされたコシヒカリ粉だけが使用されます。
中下:できあがった澤根だんごは生地の滑らかさを保つため、ひとつひとつが区切られた箱の中に手作業で詰められていきます。
かつて越後の田植え休みの時期には、家々の軒先に100個200個もの
笹団子がぶらさがっている光景が随所に見られました。
この時期は端午の節句の頃でもあり、笹団子は農休みの知らせと共に
男児の成長を願う節句菓子でもありました。
今では新潟の郷土菓子として全国に広く知られていますが、
しまやは、こうした先人の文化と味を守り、
また次の世代へと伝えていく所存です。
その希少性と値段の高さ故に、地元の佐渡の人も滅多に食べることのない
佐渡ブランド卵「佐渡地鶏ひげ」の卵を贅沢に使いふんわり柔らかな生地を焼き上げ、
きめ細かい生クリームを丁寧に巻き上げ、極上のロールケーキを作りました。
朱鷺放鳥の際にご来島された秋篠宮ご夫妻にもお買い上げいただいた、当店自慢の一品です。
キウイやピーチなどの果実をはさんだ、ロールケーキの中で一番人気の「フルーツ卵ロール」
通常の卵よりも、濃厚な風味が特徴です。
しまや独特の技法でキメ細かく焼き上げた柔らかなスポンジと、ふんわり生クリームとの相性が抜群です。
「佐渡ひげ地鶏」は、古くから佐渡島内で飼育されていた在来種です。
3日に1個くらいしか卵を産まないことや、孵化率が低いことから、絶対数の減少が激しくほぼ絶滅状態になっていました。平成17年に結成された「佐渡地鶏ひげ生産組合」によって飼養羽数は約500羽まで増加してきていますが、飼育が難しく現在も希少種として飼育されています。
佐渡ひげ地鶏の原種の雄と、ロードアイランドレッド種の
雌とを交配し改良したブランド鶏です。
しまやでは、佐渡の風土や歴史、芸能や偉人などをモチーフとしたお菓子を販売しておりますが、
特にご好評いただいているのは、国の重要無形文化財に指定されている
伝統芸能「文弥人形」をモチーフとした銘菓「文弥人形芝居」です。
文弥人形芝居は、かつての島人の数少ない娯楽であり、
農閑期には島中を人形の座がめぐって巡業したといいます。
古浄瑠璃文弥節の語りにのって、1人遣いの人形で演じられる舞が魅力です。
素朴でありながらも、その芯にある力強さを、お菓子に投影いたしました。
風味豊かに焼き上げた銘菓「文弥人形芝居」をどうぞご賞味ください。
文弥人形芝居は、卵とバターを贅沢に使用した風味豊かな焼き菓子です。
佐渡金山の小判をイメージして小判型に焼きました。
味のレパートリーには、それぞれの味の風味が口の中いっぱいに広がる
胡桃、胡麻、アーモンド、おけさ小判、文弥クッキーもご用意しました。
自然な美味しさに仕上がっております。
左:ただ今クッキーが焼きあがりました!
中:味のレパートリーの「胡桃」「アーモンド」は、一枚一枚丁寧に小判の形に整え成型しています。
右:しまやに伝わる文弥人形。人形の頭(かしら)彫り師「上の坊」がしまやの祖先におり、彼の作品が今も大切に保存されています。